M10 Monochromと「貴婦人」で歩く、夕暮れから夜の東京駅 feat 篠崎かりんさん

Leica

夏は暑いけれど|M10 Monochromと「貴婦人」で歩く、夕暮れから夜の東京駅

ほんとうに大好きなカメラ、M10 Monochrom

どこかへ出かける日は、かなりの頻度で相棒として持ち出している。

これまでズミルックスは50mm 2ndや4th、そして35mm 4thなどを試してきたけれど、よく考えたら「貴婦人(50mm 1st)」との組み合わせでじっくり撮ったことがなかった。

というわけで、汗ばむような夏の暑さの中、この組み合わせで街へ繰り出してみた。




M10 Monochrom × 貴婦人(Summilux 50mm F1.4 1st)

以前、カラー機(カラー撮影)で貴婦人を使ったことがあるのだが、あの時の描写も強烈だった。
当時は近代光学の「4th(ASPH.)」の世界しか知らなかったからこそ、「こんな光の滲み方をするレンズがあるのか…!」と衝撃を受けたし、確かにこれは好き嫌いがはっきりと分かれるレンズだなと実感した。

しかし、今回の相棒はカラーではなくM10 Monochrom

貴婦人がこの世に生まれたのは、まだモノクロフィルムが主流だった時代。

「モノクロで撮ることを前提に設計された伝説のレンズを、長い時を経て現代のモノクロ専用デジタル機で使う」という圧倒的なロマン。

これをとくと味わっていこうではありませんか。




16:00|柔らかな光と、ハイライトの質感



時刻は16時過ぎ。まだ太陽の光が残る明るい時間帯に切った1stカット。


液晶で確認し、撮れた瞬間に「あ、貴婦人ってやっぱりいいな」と呟いてしまった。

画面全体を包み込む、どこか優しくしっとりとした雰囲気。

現行の非球面レンズ(ASPH)を使ったズミルックスとは明らかに一線を画す写りで、とにかくトーンが滑らかなのだ。

特にハイライト部分の粘りと光の纏い方が本当に素晴らしい。


まさに「球面レンズでしか得ることができない栄養」がここにはある。

ピント面からボケへと向かって滑らかに溶けていくグラデーションも実に心地いい。




17:00〜18:00|夕暮れから夜へ、移り変わる東京駅



17時を回り、普段ならまず選ばない「東京駅の正面」へと足を向けてみた。


普段撮らない理由はシンプルで、ウェディングフォトの撮影隊が多くて落ち着かないのと、どこか「コテコテの観光写真」っぽくなって自分の中でテンションが上がりきらないから。それに定期的に訪れる場所ゆえに見慣れてしまっている感もある。

そしてここで開放F1.4にし後ろ姿、東京駅をぼかすことによってこれから出発する、何か始めようとするそんな感じの物語も含めて撮ってみました。

この時間帯は車や信号のライトが美しい輝きを見せ始めるタイミング。


あえて開放F1.4にして、背景の点光源を綺麗な玉ボケとして使ってみる。



このフワッと溶けるような玉ボケの表情もまた味わい深い。

端に行くに従って半円になる玉ボケの形も、「これこれ。これこそ貴婦人だよね」と思えて愛おしくなる。

そして、ここもウェディングフォトの定番スポットではあるのだが、立ち上がるハイライトの質感と、空のアンバーから暗闇へ移り変わる美しいグラデーションには息をのんだ。


モノクロームの写真であるにもかかわらず、「いま、夜へと街が移り変わっていく瞬間」の空気や色彩の気配まで伝わってくる。

これがもし50mm 4th(ASPH.)であれば、もっとコントラストが高くパキッとした現代的な描写になっていただろう。




結論:M10 Monochromと貴婦人の相性は、やっぱり最高だった

貴婦人とM10 Monochrom。

この組み合わせで夕暮れから夜にかけて撮ってみたけれど、想像以上に素晴らしいマッチングだった。

見慣れた現代の東京駅周辺が、まるで時代を遡ったかのような、どこかノスタルジックで品のある雰囲気へと塗り替えられていく。
レンズとセンサーが織りなす「魔法にかかったような描写」を愉しむのも、写真の大きな醍醐味だと改めて感じる。

このロマン溢れる組み合わせ、またじっくり連れ出して撮影を楽しみたい。

ではまた。

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