シグマさん、やってくれました

シグマさんがまたもややってくれました

Sigma 300-600mm F4 DG OS | Sports

これまで600mm F4　いわゆるロクヨンと言われる望遠単焦点があり、多くのプロが使ってきたであろうレンズ

これまで単焦点が当たり前であったものをズーム、しかもF4にしてしまうなんて

最近ではCanonが出した100-300mm F2.8も衝撃を受けましたが、それと同じくらいの衝撃

簡単なスペックと想定されるユーザー

もう焦点距離とF値からみて、手軽なズームレンズなわけはないです

-最短撮影距離：280cm（W）- 450cm（T）
– 最大撮影倍率：1:6（焦点距離470mm時）
– フィルターサイズ：φ40.5mm （リア）
– 最大径×長さ：φ167mm x 467.9mm
– 質量：3,985 g(Lマウント) 3,970g(Eマウント)

参考価格も142万7800円と100万オーバーは確実な一本

もうこのスペックや値段からして完全に動きものをターゲットにしていますね


モータースポーツや鳥を最高のAFで最高描写で撮りたい人向けの一本でしょう

それ以外の用途はこの重さからして思い浮かびません

てかこの重さとデカさで普段使いって無理があります

もし街中で見かけたら変質者で職質されますし、絶対変な目で見られます

ただ手放しで喜べるのか

シグマがこのレンズを開発し発売すると言うことは賞賛に値します

ただし手放しで喜べるかといったらそうではないです

いくつかの不安点があります

1.Lマウントのカメラ

まず現在発売されているLマウントのカメラで、このレンズのポテンシャルやこのレンズで想定している動き物の被写体を満足に撮れるだけの性能があるカメラがあるか

答えはNoかなと

最近発売されたライカ SL3含めて、そのような使い方が想定されていないと思われます

レンズについてもスナップやポートレートなど、日常使いの延長線上でという感じのレンズラインナップで、動き物に特化したレンズというのはないなと

Panasonicの人が言っていたが、あくまでCanonやSONYなど使っている2台目に選んでもらえればいいということ

それは動き物などはCanonとSONYとNikonに任せて、気軽に持ち出しやすいカメラとして選んでいただければということであれば人の動きに反応するくらいのAFで十分だ

ライカも言わずもがなであるし、シグマもカメラを出しているが写りやデザインに特化しておりAFはおそらく２の次だ

もちろんAFの研究はしているだろうけれども、SONYやCanon、Nikonに追いつくには時間がかかる

それにオリンピックなどの時間に厳しく、一瞬を絶対に切り取らねばならないエクストリームな現場で使われて初めて鍛え上げられる物であって、こうしたエクストリームな環境で使われていないカメラでは圧倒的な差が出てしまう

このレンズの場合、多くの一般ユーザーは大きさや値段からして動き物で使うことしか想定していない

その想定されている使い方に対応できるボディーがなければ話にならないので、現時点でLマウントでの選択肢は非常に厳しいと言わざるを得ない

2.SONYの連写制限

やはりこのレンズを使うとなるとEマウントしかないのかなと思いますが、ここでも気をつけないといけないことが1点

サードパーティーででAF追従の連写を行う場合には15コマ/秒に制限がかけられていること

つまり現時点でα1やα9の性能をフルに使うことができません

15コマ/秒も使わないという人もいますが、秒30コマ/秒使える中で15コマしか使わないのと、30コマ/秒使える中で15コマしか使えないのでは雲泥の差である

これがα7系の10コマ/秒の機種であれば影響を受けませんが、動き物を撮る人であればα1かα9系を使うのがほとんど

動き物で早い被写体であれば、もしかしたら16コマ目にガチピンで撮れているなどがあります

シャッターチャンスが少ない機会であれば一枚でも多く撮れた方がいいです

そうした人たちからしたら純正しか選択肢はないですし、純正を使った方が安心感はあります

そしてテレコンは使うことができませんので、最長で600mmでしか撮ることができないのもあります

3.値段

こういう言い方はしたくないのですが、このくらいの焦点教理で同じ値段を出すなら少し高くてもサードパーティーより純正の方がいいなと思います

もちろん研究開発や材料代、人件費など考えたら決して安売りしてはいけないのもわかるのです

ただ望遠域での正確なAFやカメラ側とのマッチングを考えたら、少し高くても純正の方が安心感が高いです

これが5,60万ほどの参考価格で純正との圧倒的に価格差があれば諦めもつくのでしょうが、100万超えて10万ほどしか差がない状態でAFが合わないとなったら後悔してもしきれないと思います

結論：すごいスペックではあるが・・・

すごいスペックではあるけど、現時点でこのレンズのスペックをフルに使えるかというとかなり疑問ではあるなというのが感想


純正同士がいいとは言ったが、AFがあまりよろしくないシグマfpしかないですし

もしかして同時に発表されたBFがAF最強で動き物にバッチリ合うのかという期待がありつつも、ボディーとのバランス悪すぎですよね


そうなるとPanasonicとライカ頼みになりますが、あの2メーカーにCanonやSONYに並ぶAF性能が出せるのか

将来的にはできると信じたいですが、近いうちにと考えるときついのではないかと思います

とりあえず使ってみようという価格や大きさでないですし、使用用途も限られるからこそ使う人も限られます

おそらくこのレンズを買える人は純正の400mm F2.8や600mm F4も買えます

CanonやNikonユーザーはあえてLマウントに飛び込む必要はないですし、おそらく飛び込まなくてもいいです

SONYユーザーは選択肢は増えますしF4通しでズームできる便利さがメリットですが、ピント精度や連写制限考えたら純正がいいです

LマウントユーザーでライカやPanasonicでどうしても動き物撮りたいという人以外は選ばないかなと思いますが、果たしてどれだけいますかね

まさかとは思いますが、LマウントでAF最強のカメラが出るから事前に出した？？？

それともSONYの連写制限が完全に解除されてα9Ⅲの120コマ/秒でも完全に追従できるようになる？？？

何かしらの動きがないとこのようなスペックのレンズが出せないですから、まさかここからとんでもないことが発表されるのですかね

CanonやSONY、Nikon以外でこうした望遠レンズを使える選択肢が増えるのはいいことだと思います

Panasonicやライカ、シグマもこの望遠レンズのスペックをフルに使えるカメラを出すことを期待しますし、将来的には400mm F2.8や600mm F4の望遠単焦点も出していただけたらもっと面白くなるなと思います

それでは