写真にボケはいるのか
写真において「ボケ」はしばしば美しさや印象の深さを演出する要素とされます。しかし本当にすべてのシーンでボケが必要なのでしょうか?ここでは、ボケが効果的に働くシチュエーションと、あえて使わない方が良いシーンを具体例とともにご紹介します。
これを考えたきっかけ
Summiluxを使うようになって一枚一枚ピントを合わせるようになってきてから、果たしてここまで開放にして良いのかを考えるようになってきたのがありますあとは開放で寄ってボケ多めの写真を結構見かけることが多く、ここまでボケ多めにする必要ないのではということも
確かにカメラで大幅なボケは魅力ですが、せっかく良い背景なのにボケていて何の情報もないっていかがなものなのかなと
そう考えたらボケがいるときといらないときを考えてみたいなと思い今回のことを書いてみました
一般的にボケがいるシチュエーション
一般的にボケがいるシチュエーションは以下なのかなと思いますが、共通して言えるのは被写体を際立たせたい時に必要だと言うことがあります1.周りに人がいる時
やはり周りに人がたくさんいる時にはボケを用いて顔を見えないようにするのは有効な手段かなと思います
オートサロンなどの人が多い環境ではいいかと思います。
画像処理で消すこともできますが、一人一人消すのも面倒なので、撮る時にボケで顔を判別できないようにできるのであればいいのではと。
これももちろん使うシチュエーションによっては後で画像処理するべき時のこともありますので、その現場での判断にはなります。
それに顔の判別ができたら、誰がメインの被写体かわからないと言うのもありますので、この場合にはボケを用いた方が良いのかと思います。
2.物を引き立てたい時
モノや商品を引き立てたい時にボケは有効です。目立たせたいところ以外はボケていくと、必然的にピントが合っているところに目が行きます。
ただしモノによってはボケすぎるのは良くないので、程よくボケていくのが大事で、若干絞ってF4とか5.6くらいで撮った方が良いのかなと。
反対にボケがいらない時
反対にボケがいらない時ってどんな時なのか、こちらも一般的なことで書いていきます。1.集合写真
集合写真でボケていたらダメでしょう。卒業アルバムの集合写真で自分の顔がボケてしまっていたら、思い出の価値としてないにも等しいし、将来見返したときにショックを受けたりするものです。
2.観光や風景などの写真
観光に行った時に記念撮影したとして、せっかくの名物スポットで撮ったとしてもボケでよくわからなかったら意味がないです。本当に行ったの?と自分自身でも疑問を持つことになります。
風景も同様に端までしっかりと撮りたいので、開放でのボケを使うよりは絞ってボケはあまり使わない方がいいかと思います。
もちろん意図してボケを使うのはOKですが、何も考えないでとりあえず開放というのは風景や観光の写真では後々のためにやめておいた方がいいかと思います。
3.商品撮影
商品の撮影では商品の全部をしっかりと見せる必要があり、ボケは大敵です。商品の全部にピントが合うようにしっかりと絞る必要があり、場合によっては被写界深度合成やティルトシフトレンズを使うこともあります。
人物撮影でボケがいる時といらない時とは
では人物撮影(主にポートレート)でボケがいる時といらない時ってどういう時なのかなと。ボケがいらない時とは
まずはボケがいらないときはどのような時なのかを考えてみました。1.背景が特徴的で絡めたい場合
背景が特徴的な場合に背景情報も入れた方が面白いポートレートを撮れます。
2.その場の状況をリアルに伝えたい時
スナップ感覚でポートレートを撮る時に、周りのリアルな状況を一緒に撮っていきたい時にもあまりボケはいらないです。
反対にボケがいる時
反対にボケがいるときはどのような時なのか。1.背景がごちゃごちゃしている時
人や建物でごちゃごちゃしている環境だと余計な情報が入りがちになってしまう。その時にボケを使って極力余計な情報が入らないようにしてしまうのも手だと思う。
2.何も特徴がない場所
特徴がないスタジオだと、背景の情報を入れて撮ったとしても日常感溢れる感じがしてあまり面白くない。
それなら被写体に寄り気味にしてボケを作って撮った方が良いのかもしれない。
3.抜けが良い場所
抜けが良い場所では開放で撮ってボケを生かした方が被写体の立体感が出て良いかと
4.夕暮れなど光の雰囲気を使いたい時
夕暮れなど光の雰囲気を使った一枚を撮りたい時に、光の滲みや柔らかいボケが良い演出をしてくれます
玉ボケも入れられる時には入れた方がいいかもしれません
結論:ボケもコントロールしようとすると面白い
やはりカメラを使うとボケのある写真を撮ることができるのが魅力ではあります。単焦点レンズを使うとボケも大きく撮れるので楽しくなりますが、ボケだけに頼ったり使いすぎると飽きがきてしまうものです。
脂っこいカルビを食べすぎると胃もたれを起こしてしまうように、ボケばかりの写真を見ると胃もたれしてしまいます。
光をコントロールしようとするように、ボケをコントロールしようとするととても面白いです。
F値だけでなく被写体との距離や背景の距離、焦点距離やセンサーサイズなど複合的な要因がありますが、そこまで考えていくと楽しいものです。
それでは
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