Leica M10 MonochromにSummilux 50mm f1.4 ASPH.を組み合せて感動 feat 美波まりんさん

Leica

モノクロセンサーと至高の現代光学を組み合わせて

前回、Summilux 50mm 2ndとの組み合わせで撮った際、そのしなやかで湿度のある空気感、そして球面レンズ特有の『良い意味での曖昧さ』に深く感動した。

カラーフィルターが存在しないため、光が一切の減衰なくダイレクトに届くM10 Monochromの4000万画素センサー。そのポテンシャルを引き出すには、あの2ndの黒の粘りこそが至高であり、これ以上の終着駅はないのではないかとさえ思っていた。

しかし、ここで前言を撤回したい。


やはり、非球面レンズ(ASPH.)を纏った現代のSummilux 4th。こいつが叩き出す世界は、あまりにも凄まじかった。


驚異的な解像がもたらす「無慈悲さ」と現代的なボケ

実際にシャッターを切ってみて驚かされたのは、線の細さはさることながら、ある程度引きの構図で撮ったときの描写だ。2ndが持っていた『しなやかに溶け込む空気感』とは対極にある、隅々まで緻密に解像するゆえの、どこか冷徹で無慈悲なまでのリアリティがある。


ピント面からのボケ味も、なだらかに回り込んでいく2ndとは違い、ピントが合っている被写体から一気にアウトフォーカスへと突き抜けていく現代的なマナー。ここ最近、2ndのクラシックな描写に身体が慣れてしまっていた自分にとって、この4thが突きつけてくる強烈なインパクトは、新鮮な目眩を覚えるほどだった。


「これはこれで、やっぱり堪らなく良い――。」
かつて惚れ込んだはずの4thの底力に、文字通り脳を殴られて惚れ直してしまったのだ。


結論:ロケーションがレンズの個性を決定づける

今回の撮影を経て、自分の中で1つの明確な結論に至った。それは「使うシーンによる徹底的な使い分け」だ。

先日の江ノ島のように、遮るものがなく、自然の光と風が主役になる開放的な環境であれば、あの2ndのトーンは間違いなく最高に輝く。しかし、今回のように直線的な意匠のビルが立ち並ぶ都市部というロケーションにおいては、4thの直線的なキレ味が、周囲の環境をも含めて画面をピシッと破綻なく引き締めてくれる。

4thは、あくまで「事実を事実のごとく」冷徹に写し出すレンズ。だからこそ、4000万画素のモノクロームセンサーの前では、撮影者のわずかなピントの甘えや妥協がそのままダイレクトに写りに直結する。その緊張感もまた、このシステムの病みつきになる部分だ。

M10モノクロームのカメラ内生成JPEGだけでは、自分の理想とする「あと一歩、黒を落としたい」というシビアな追い込みは難しい。だが、RAW(DNG)を開いた瞬間、その常識は覆る。暗部に眠る黒やシャドウの豊富な情報量を、自分の意のままにコントロールし、狙い通りの1枚へとビルドしていくプロセス――。


この「打てば響く」ような階調の豊かさは、モノクローム専用センサーを持つ者にしか許されない贅沢であり、実際に体験したら言葉を失うレベルの感動がそこにはある。

色鮮やかな世界も魅力的だが、やはり自分は、色というノイズに惑わされることなく、純粋な光と影、そして質感の芯に向き合えるモノクロームの世界がたまらなく好きだ。


もちろん、このシビアな光学性能と私の我が儘な視線を受け止め、完璧な佇まいで画面に収まってくれるモデル様の存在があって初めて、この至高の1枚が成立していることは言うまでもない。

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