会社員の方々が毎月引かれている社会保険料。
その中の健康保険料と厚生年金ってどのように計算されているか皆さんご存知でしょうか。
自分は5年程前から給与計算や保険手続き関係の仕事をしており、実際に仕事してみて初めて知ったこともたくさんあります。
もしかしたらどのように計算されているのか知らない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回はそんな社会保険の計算方法について書いています。
後で記述しますが4月から6月で残業代が多くなりそうな方は要注意です。
私たちのお金に関する事になる為、是非知っておいていただきたいと思います。
社会保険の計算方法とは
社会保険料は毎年見直されます。
これは定時決定と言われるもので1年に1回行われるものです。
※今回は協会健保を例に説明しますが、組合保険も同じものだと思ってもらえればと思います。
詳しい保険料額は下記のリンクを参照してください。
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/~/media/Files/shared/hokenryouritu/h29/ippan4gatu/h29413tokyo.pdf
ここで覚えておきたい単語が2点。
・報酬月額
・標準報酬月額
報酬月額とは・・・
標準報酬月額の等級を決めるためのもので、毎月貰っている給与が基準となります。
この等級を決める上で知っておきたいことがあります。
報酬月額は単純に給与かと言われたらそうではなく、交通費や残業代など手当の合算額がベースとなります。
この等級を決める上で知っておきたいことがあります。
報酬月額は単純に給与かと言われたらそうではなく、交通費や残業代など手当の合算額がベースとなります。
標準報酬月額とは・・・
等級を基に標準報酬月額が決められており、この月額を基に保険料と厚生年金の金額を計算します。
健康保険・・・標準報酬月額の9.91%の金額
ちなみに40歳以上の方は介護保険料も追加され、介護保険料率1.65%を加えた11.56%の金額になります。
厚生年金・・・標準報酬月額の18.182%の金額
ちなみにこの金額は会社と折半する為、健康保険は4.955%、厚生年金は9.091%ずつの負担となります。
健康保険・・・標準報酬月額の9.91%の金額
ちなみに40歳以上の方は介護保険料も追加され、介護保険料率1.65%を加えた11.56%の金額になります。
厚生年金・・・標準報酬月額の18.182%の金額
ちなみにこの金額は会社と折半する為、健康保険は4.955%、厚生年金は9.091%ずつの負担となります。
Ex.22等級(月額300,000円)の場合・・・
健康保険は¥300,000×9.91%で¥29,730となり、¥14,865ずつの折半となります。
厚生年金も同じように¥300,000×18.182%で¥54,546となり、¥27,273ずつの折半となります。
ちなみに毎年3月と10月にこの料率が見直され、給与から引かれる金額も変わってきます。
この等級はどの様に決められているのか
この等級はどのように決められているのか。
それは毎年4月から6月の平均給与で決まります。
ここで決められた等級が9月分の保険料から引かれていきます。
ここで頭の中に入れておきたいことが一つ。
4月から6月で残業が多い人は要注意
みなさんの働いている会社では残業代は出ますか?
4月から6月に支給された給与が基準となるため、残業代も対象となります。
4月から6月で忙しくなる人だと人事や経理などがあります。
人事であれば新卒入社の研修、経理であれば決算の準備などで忙しくなる季節です。
残業代も対象になり9月分の保険料から高い金額が引かれることになります。
4月から6月が過ぎれば落ち着いて残業が少なくなるという人もたくさんいますが、それでも1年は高い保険料を払い続ける必要があります。
ちなみに・・・
4月から6月の3ヶ月で欠勤で給与が低い場合、その平均かというとそうはいかないんですよね。
月の出勤日が17日に満たない場合にはその月を除いて計算します。
これは頭の中に入れておいてください。
実際にどのくらいの乖離があるのか
では実際に毎月の給与でどのくらい違ってくるのか簡単なシミュレーションをしてみます。
Ex.交通費含めて月給30万の場合。(30万の等級)
健康保険¥14,865+厚生年金¥27,273=¥42,138
こちらが毎月引かれる社会保険料になります。
Ex.残業代1万を加算した場合(月給31万計算)
等級が1つ上がり32万のものになります。
健康保険¥15,856+厚生年金¥29,091=¥44,947 が保険料になります。
差額で¥2,809となり12ヶ月で¥33,708増える計算になります。
4月から6月だけ¥10,000の残業代支給(3ヶ月合計¥30,000)だと・・・
¥30,000-¥33,708=-¥3,708のマイナスになります。
これは残業代が多ければ更に等級が上がり、マイナスも大きくなります。
介護保険料の対象者は更に金額も跳ね上がります。
ただこのまま払い続けないといけないの?
では実際にこのまま払い続けていかないといけないのか。
その必要はないんです。
この場合には保険者算定というものを行うことで、保険料の正しい算定を行うことができます。
ただしこれには条件があるんです。
それは2等級以上の差が出てくる場合に限ります。
Ex.30万の等級だと36万以上の等級に変わる場合。
更にこうした保険者算定を行う時に揃えないといけないものが4点あります。
・申立書
・被保険者の同意書
・前年の7月〜当年6月までの賃金台帳
・備考欄に申立を行う旨を記載した算定届の用紙
これらを用意して提出する必要がありますが、企業によっては申立書など作るのが面倒ということで作らないところもあります。
まとめ
僕自身も現在の仕事をするまでは全く給与明細を見ていませんでした。
そのため社会保険料の算出の仕方や、金額が変わっても全く気づかなかったです。
しかし自分のお金に関することは、知っておかないと損することもあります。
社会保険料ももしかしたら払いすぎている部分もあるかもしれません。
4月から6月の期間で残業が多くなる場合には会社の労務に相談して保険者算定を相談してみることをオススメします。
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